2020年アンタレスステークス回顧。ベストタッチダウン・クリンチャーの敗因とウェスタールンドの勝因

アンタレスステークス2020年・敗因分析
▼本日は、2020年のアンタレスステークスの回顧と結果分析をしてみたいと思います。






▼まずこのレース、断然人気になったのは、3連勝中のベストタッチダウンでした。

3連勝の内容は全て圧勝で、全て逃げ切り。

阪神のダート1,800メートルでは、過去に1.7秒もの大差をつけて勝っており、ダート1,800 mは大の得意。

この内容が支持されて、ベストタッチダウンは単勝2.0倍の断然人気となったわけです。



▼しかし結果は、なんと14着惨敗。

何の見せ場もなく、大敗してしまいました。

これは何故か?



理由はシンプルで、「逃げなかったから」ですね。

ベストタッチダウンが強かったのは、すべて逃げた時。

逃げることができなかった時は、過去のレースを振り返ってみても、1勝クラスですら2~3着と、平凡な馬だったわけです。



▼スタートで、少しモタついたのも原因ですが、なんと言っても、川田騎手が全然逃げようとしなかったのが敗因でしょう。

逃げる覚悟を決めて、スタートから押していけば、スムーズにハナを切り、自分のペースで進むことができたはずです。



▼しかし、川田騎手はスタート後、手綱を押すわけでもなく、馬なりで先行。

外からメイショウワザシに押し込まれてしまい、馬は戦意喪失してしまいました。



▼あれは単純に騎乗ミスですね。

川田騎手は、メイショウワザシが来ることを想定して、2番手で競馬をするつもりだったのかもしれませんが、上述の通り、ベストタッチダウンは逃げてこそ強い馬なので、2番手追走の選択は、ちょっと首を傾げます。



▼個人的な馬券としては、ベストタッチダウンが過剰人気だったので、マツリダ予想の◎クリンチャーからの三連複で、4660円的中。

当ブログではいつも書いている通り、1番人気が過剰人気の時は、2~3番人気馬の期待値が急上昇します。

なのでここでは、クリンチャーかウェスタールンドを軸にした馬券が、基本だったかと思います。



▼ベストタッチダウンに関しては、今回はうまくいきませんでしたが、能力は非常に高いので、次走以降で人気が落ちるようなら、また狙っていくという形で良いかと思います。

逃げることができれば、重賞レースでも通用する馬ですね。



▼勝ったウェスタールンドは、決め打ちの後方待機。

この馬は、2018年のチャンピオンズカップでも追い込みで2着に来ているように、展開がハマればG1級の末脚を発揮しますね。



▼展開待ちの馬なので、昨年のアンタレスステークスは、1番人気で4着に負けてしまいましたが、あれは仕方がない。

この手のタイプは、人気で信頼すると言うよりは、展開がハマるのを待つという感じなので、少し人気を落とした方が旨味がある馬ですね。



▼昨年の、みやこステークスでも、アンタレスステークスで1番人気を裏切ったことで、6番人気馬まで評価を下げていましたが、3着に好走。

ウェスタールンドは、人気で負けて、人気薄で来る、という傾向にあるので、それは覚えておいた方が良いでしょう。



▼展開的には、過去のアンタレスステークスと比較すると、ややスローペース。

2~4着は、すべて4コーナーで前にいた馬なので、ウェスタールンドの末脚が、際立って優秀であったことを物語っています。



▼1頭だけ、ズバ抜けて強い競馬を見せたウェスタールンド。

次走は、また人気になると思いますが、あまり過剰人気だと手を出しづらい。

上述したように、ウェスタールンドは人気になって負けるケースが多いからですね。



▼もちろん、連勝してくる可能性もありますが、馬券期待値で考えると、次走で人気になるなら、別の馬を軸にしたいところ。

多くの競馬ファンは、

勝つ⇒人気になる⇒馬券を買う⇒負ける⇒人気が落ちる⇒馬券を買わない⇒勝つ

という裏目地獄に突入しやすいです。

ここの部分を客観的に見ることができるかどうかで、競馬の勝ち組になれるかどうかが決まってくるわけです。



▼3着クリンチャーは、個人的には三連複勝負だったので、ハナ差で突っ込んで来てくれて助かりましたが、勝ち馬には完敗の形。

クリンチャーは、ダートに転向してから、2着・2着・3着と安定した成績を残していますが、勝ち切れないのは、「先行力」と「切れる脚」のどちらも持ち合わせていないからかと。

ダートで勝ち切るためには、先行力か末脚が必要。

その武器が少し甘いのが、クリンチャーの敗因だったかなと思います。



▼もっと極端な競馬をした方が、勝ち切る確率は上がると思いますが、惨敗するリスクも高くなってしまいます。

今は、中途半端な競馬をしているから、安定感が増していますが、極端な競馬をすれば安定感を失う。

勝ちに行くのか、2~3着を狙うのか、クリンチャーは騎手によっては、今後も勝ち切れないタイプになるかもしれません。



▼2着アナザートゥルースは、58キロで強い競馬。

ただ、展開的には前残りの恩恵だった印象なので、過大評価は禁物ですね。

アンタレスステークスとは相性が良く、昨年の勝ち馬でもあったので、7番人気は過小評価されすぎでした。

ここでは、ヒモとしてアナザートゥルースを狙うのが、期待値的には正解だったと思います。


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