夏競馬は牝馬が有利?夏は牝馬が強い理由。格言を検証。単勝回収率と勝率

夏競馬は牝馬が有利?

▼『夏競馬は牝馬が有利ですか?』

というベーシックなご質問をいただいたので、本日は、夏競馬と牝馬について、独断と偏見で書いてみたいと思います。

牝馬

▼私(ブエナ)の経験則で書けば、

「夏競馬は、通常開催と比べると牝馬が活躍する傾向にあるが、特別儲かるというわけでもないと思う」

「ただし、夏の重賞レース。これに関しては牝馬を狙うと回収率を上げやすい印象」



ではこの件について、私なりに考察してみたいと思います。



▼夏競馬、すなわち7~8月の競馬は、「牝馬が強い」と、よく耳にします。

果たしてこれは本当か?

ちょっと検証してみましょう。



▼そもそも、夏の暑い時期に牝馬がよく走ると言われている、「一般的な」理由としては、


・メスはオスより生物として頑丈だから、暑さに強い

・夏競馬は、短距離や直線平坦なローカル開催なので、キレのある牝馬に有利である

・牝馬は、フケ(発情期)の関係で、春より夏の方が調子が良くなる



はい。

このような意見はよく耳にしますね。



▼これらの生物学的な説が正しいのか、ガセネタなのかはわかりません。

が、どっちにしても私たちは生物学者になりたいわけではないので、もっと馬券に直結するデータを探さなければなりません。

具体的なデータに入りましょう。



【夏競馬(7~8月)の牝馬】 ※2000年からの15年間データ。牝馬54,164頭データ


単勝回収率 76%(勝率7%)


はい。ごく普通です。むしろ少し低いくらい。

ん?夏は牝馬が強いんじゃないのか?

ここで「あるフィルター」をかけてみます。


単勝回収率 126%(勝率9.6%)


一気に回収率が上がりました。

さて、私ブエナは何でフィルターをかけたのでしょうか?

正解は・・・


重賞レースの牝馬に絞った

だけです。



▼要するに、夏競馬(7~8月)で牝馬をひたすら買い続けても儲からないが、「重賞レースの牝馬」は、儲けやすい、という傾向があると思うわけ。
(あくまで私ブエナの考えです)


「夏は牝馬」と言われるのは、夏の重賞レースで牝馬が活躍しやすく、重賞レースで活躍すれば目立つので、「夏は牝馬」と言われやすいのではないか?



▼今後、この傾向がどこまで続くのかわかりませんが、少なくとも過去15年間では、

過去15年、夏の重賞レースで、すべての牝馬の単勝をひたすら買い続ければ、回収率126%

だったということです。



▼ちなみに、数は少ないですが、

ダート重賞での牝馬の単勝回収率」は、

■単勝回収率 535%(勝率17.9%)

です。すごいですね。



▼ついでにもう一つ、補足情報を入れると、

ハイレベルなレースになるほど、夏の牝馬は強くなる

ような気がします。


実際、データ分析していても、新馬~1000万条件までは、夏の牝馬は大した成績ではありません。

が、1600万条件以上のハイレベルなレースになると、一気に単勝回収率が上がる感じ。


理由はわかりませんが、ハイレベルなレースになるほど、ほんのわずかな体調の差が明暗を分けるため、夏バテしない牝馬が台頭してくるのかもしれません。



夏競馬の牝馬を、さらに見ていきましょう。

クラス別では、「G3」と「1600万」が、どちらもプラス回収となっています。

ただ、1600万に関しては、「OP特別」がマイナス収支であり、ここはただの誤差の可能性もあります。


私ブエナが見た感じ、夏競馬の牝馬で儲けやすいのは、

「G3」

かなという感じですね。



▼先ほども書きましたが、夏の牝馬はレベルの高いレースの方が期待値が上がりやすい傾向にあるので、
「平場の牝馬」より、「特別戦の牝馬」の方が、儲けやすくなると思います。

まぁこれに関しては、特別戦の方がオッズに歪みが出やすく、その点で儲けやすいだけかもしれませんが。



▼7~8月は、条件抽出なしでも、牡馬より牝馬の方が期待値が高い傾向にあります。


【7~8月の夏競馬データ】 2006~2015
6310レース分析


◆牡馬
単勝回収率68%

◆牝馬
単勝回収率75%



はい。
中央競馬のデータを見ていると、多くの場合、牝馬より牡馬の回収率が高くなりやすいんですが、7~8月の夏競馬に関しては、牝馬の期待値が高いことが多い。


このことからも、「夏は牝馬」の格言は、比較的正しいのかなと、私は感じます。



▼それから、「距離」に関しても見てみましょう。

牝馬の場合、基本的には短距離の方が強い印象があります。

2000m以上になると、スタミナのある牡馬に負けてしまうことが多い牝馬ですが、7~8月の夏競馬に関しては、

7~8月の夏競馬。2000m以上で牝馬の期待値が高い

ことが多い印象。



▼1200m・1600mより、2000m以上の方が回収率を上げやすい感じです。

通常、牝馬は期待値が低めなので、その印象が残って夏競馬でも馬券が売れにくいわけですが、夏は牝馬が強いので、そのギャップで、牝馬の期待値が上昇するのかもしれません。



▼ということで本日は、夏競馬と牝馬の関係について書いてみました。

夏競馬で牝馬を狙う時は、「ハイレベルなレースで狙う

私自身も馬券購入する時、無意識にそのようにしているような気がします。



▼夏競馬は、ハンデ重賞なども多く、難解なレースが多いわけですが、牝馬が強いことを頭に入れておくと、難しい夏競馬でも回収率を上げることができたりしますね。

このような細かい積み重ねが、長期的には大きな回収率の差になっていくと、私ブエナは思うわけです。

ご参考まで。

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私(ブエナ)が、馬券知識を増やすために学んだサイトは、

やっぱり⇒『マツリダ予想』です。




夏の重賞レースで牝馬を狙う際の注意点

▼夏競馬は牝馬が有利か?についての考察を続けます。

先程、私は「夏の重賞レースは、牝馬が儲けやすい」と書きました。

ここでは、さらに深く考察してみたいと思います。



▼確かに、夏の重賞レースでは牝馬が回収率を上げやすいと思う。

ただ、1つだけ注意点があります。

それは、「超人気薄の牝馬は、手を出さない方がいいかもしれない」という部分です。



▼特に、夏の重賞レース(芝)の場合。

確かに、牝馬が活躍する傾向にある。

でも、10番人気以下の人気薄の牝馬は、それほど期待値が高いわけではない印象です。



▼具体的なデータも見てみます。

【7~8月の芝重賞レース(牝馬)】 2010~2016


1~9番人気
単勝回収率 107%

10番人気以下
単勝回収率 0%



はい。
芝の重賞レースのデータです。

確かに、牝馬の好走確率は高い。

ただそれは、1~9番人気くらいまでの牝馬に集中している傾向にあります。



▼逆に、夏の牝馬でも、10番人気以下の全く人気がない女の子。

このような牝馬は、無理に狙ってもなかなか回収率が上がらない印象です。
(あくまで私ブエナの見解です)



▼なので、私ブエナが夏競馬で牝馬を狙う時は、「重賞レースで9番人気くらいまでの牝馬を狙う」という感じで馬券構成することが多いです。

あくまでも私の考えですが、荒れる夏競馬であっても、牝馬を狙う時はあまり大穴を狙わない方がいいような。



▼逆に、夏競馬で大穴を狙うなら、牡馬の方が良い結果が出やすい気がする。

夏の重賞レースで、10番人気以下が突っ込んでくる場合、牡馬であるケースが多い印象。


ちなみに私ブエナが、夏の重賞レースで大穴をゲットした、2012年の七夕賞。

1着は14番人気のアスカクリチャン。牝馬みたいな名前ですが、牡馬でした。

三連複6万馬券が記憶に残っています。



牝馬は内枠不利?
さて、牝馬と言えば、イメージするのは「か弱い」「当たり負けする」という部分ではないでしょうか?

やっぱり女の子だから、男の子とやりあうと分が悪い。

最近の女性は強いわけですが、身体能力ではやはり男性が上でしょう。



▼競馬の世界でも、やっぱり男の子の方が、フィジカルが強いわけです。

体の大きさも、平均的には牡馬の方が大きくなりやすい。

競馬においては、馬格(体の大きさ)は、回収率に影響を及ぼします。

別の記事でも書きましたが、体が大きい馬の方が儲けやすいわけです。



▼そう考えると、牝馬はやはり不利。

特に、揉まれるとよくない。

繊細な牝馬は、体がぶつかったりすると、やる気がなくなるわけです。



▼夏競馬はローカル開催なので、「小回りの競馬場」が多いです。

で、小回りの競馬場は、コースロスの少ない内枠が優位になりやすい。

ただ、ここでちょっと問題があります。



▼牝馬が内枠に入った場合、牡馬と比べると成績が悪い印象。

先ほど書いたように、内枠だと揉まれるので、牝馬はやる気がなくなってしまうのではないかと。

そう考えると、夏競馬で牝馬を狙う場合は、内枠狙いにするより、意外と外目の枠の方が回収率を上げやすかったりする印象です。



▼さて、夏の牝馬のデータをさらに更新してみます。

2000年~2018年
7~8月
牝馬
重賞レース


単勝回収率116%
複勝回収率88%


はい。
相変わらず優秀ですね。

まだまだ夏の重賞レースでの牝馬は期待値が高い感じです。



▼ただ、少しだけ傾向が変わっている部分があります。

それは、 2016年から単勝回収率が大きく下がっているという部分です。

2016年~2018年 単勝回収率31%
複勝回収率90%


こんな感じに。

明らかに、単勝回収率が下降しています。



▼これはどういうことかというと、以前より「勝率」が下がっている。

複勝率はそれほど低下していません。

連対率も許容範囲かと。



▼なので、夏の重賞レースで牝馬の期待値が下がった訳では無い。

2~3着にはちゃんと来ているわけです。

その証拠に、複勝回収率は90%と優秀な数字を維持しています。



▼これが単なる確率的な偏りなのか、それとも傾向が変わったのか、ここからさらにデータ分析を続けていきたいと思います。

一応の考え方としては、夏の重賞レースで牝馬を狙う時は、頭から狙うより、三連複やワイドなど2~3着狙いにしておいた方が、現状では無難かと思います。



▼では次に、データ集計期間をさらに更新してみましょう。


7~8月の芝重賞レース。牝馬データ】2015~2020年

単勝回収率82%
複勝回収率82%



はい。
少しずつ回収率が平均値に収束してきました。

これが確率的な収束なのか、それとも競馬ファンが夏の牝馬を狙うようになったので回収率が下がったのか、どちらか不明です。

おそらく確率収束かと。



▼いずれにしても、2015年までは、夏の重賞レースで牝馬は儲かるデータだったんですが、2016年からはその傾向が変化しています。

年単位での単勝回収率は、下記の通りです↓


846(%)
54
19
18
51
131


(※上から、2020年~2015年)


はい。
新しい順に並べてみました。



▼まず、2020年の846%というのは、CBC賞でラブカンプーが単勝93倍を出したからです。

これは、たまたまの結果なので、まだ確率収束していないため、度外視しても良いです。



▼重要なポイントは、2015年の単勝回収率が131%を記録した後、2016年から単勝回収率が大きく下がっていることです。

勝率も、10%あったものが半分程度まで下落しているので、牝馬が過剰人気になっただけ、と言うわけではなさそうです。

単純に、夏の重賞レースで牝馬が勝つ回数が少なくなったと考えるのが妥当でしょう。



▼したがって、夏の重賞レースで単純に牝馬を狙っても、なかなか回収率は上がらなくなったと考えられます。

2020年から、またこの傾向が変わるのか、このまま進んでいくのかわかりませんが、一工夫入れた方が安全ですね。



▼では、夏の重賞レースで牝馬の狙い目のポイントを考えてみましょう。


夏の重賞レース。1200メートル。牝馬】2015~2020年

単勝回収率142%・複勝回収率100%


はい。
夏の1200mの重賞レースでは、牝馬の回収率が高めになっています。

ただこれは、先ほど書いた、CBC賞でのラブカンプーの数字が入っているので、盲目的に信頼はできないところ。

ラブカンプーの大穴を除外すると、単勝回収率70%・複勝回収率88%となります。

複勝回収率が88%は、まずまず優秀ですね。

このことから、夏競馬の1200m重賞では、人気薄の牝馬をヒモに入れるようにしてみると、穴馬券が引っかかる確率が高くなると思います。

競馬場別に見ると、特に、札幌競馬場と小倉競馬場での回収率が高めになっているので、そこでは牝馬が要注意ですね。


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